設立趣意書
設立趣意書

 現在の日本の社会においては、いじめ、不登校、学級崩壊、虐待、少年犯罪、子ども買春など、教育、司法、福祉、家庭の様々な場面で、子どもの人権に関わる困難な問題が山積しています。そうした状況の中で、今を生きることが苦しく、逃げる場もなく追いつめられていく子どもが、数多くうまれています。
 親子関係がこじれ、あるいは虐待がおこり、家庭に安心して暮らしていけなくなる子どもがいます。児童養護施設を出て、自立したものの、困難に直面し帰る場所を失ってしまった子どもがいます。少年犯罪をおこして、少年院に入る必要はないのに、引き受ける大人がいないために少年院に送られてしまう子どもがいます。
 こうした子どもたちは今晩一晩でもいいから泊めてもらえるところがほしい。逃げ込める安全な場所がほしいのです。

 2004年6月、司法、福祉、地域など、様々な分野で子どもの人権問題に関わってきた者たちの連携ネットワークから、子どもたちのためのシェルター「カリヨン子どもの家」が開設され、そのホームを運営するための組織「特定非営利活動法人カリヨン子どもセンター」が設立されました。

 職員とボランティアスタッフが交代で24時間常駐し、緊急一時避難をしてきた子どもたちの生活を守ります。また東京弁護士会との連携にて「子どもの人権110番」というアクセスポイント、そして子ども担当弁護士による親、学校、職場、関係機構などとの対外交渉が実現しました。また東京都の全児童相談所との協定のもと、18歳未満の子どもについて一時保護委託を受け、より安全に子どもたちを保護することができるようになりました。こうして「カリヨン子どもの家」では、時間をかけて、子どもの意思、背景や環境をききとり、様々な人々や機関と協力して、その子どものその後の生活支援をしていくことを目指してきました。

 また、シェルターから出た子どもたちの次なる生活の場として、男子自立援助ホーム「カリヨンとびらの家」(2005年4月)、女子自立援助ホーム「カリヨン夕やけ荘」(2006年3月)を開設し、3つのホームを合わせてのべ130余名の子どもたちと関わってきました。

 私たちは、NPO法人カリヨン子どもセンターの活動を継承し、傷ついた子どもたちのニーズに柔軟に、細やかに応え、その命と成長を支えていくために、子どもの権利擁護を使命として、社会的な責任をもち、かつ財政的基盤を堅実にすることを目的として、社会福法人カリヨン子どもセンターを設立します。

 子どもの代弁者となる弁護士や子どもの暮らしを支えるスタッフと共に、弁護士会の子どもの人権救済センター、東京都の児童相談所や福祉事務所、医療、心理関係者と連携協力し、そして多くの市民や企業による財政的支援を得て、困難を抱えて苦しむひとりでも多くの子どもたちに対し、「大丈夫。一緒に考えよう。ひとりぼっちじゃないんだよ。あなたは大切な人。」というメッセージを届けていくことができるよう、努力していく所存です。


社会福祉法人カリヨン子どもセンター
設立代表者 坪井 節子